二次相続は一次相続とどう違う？相続税対策のポイントは？

相続において一次相続と二次相続は重要な概念です。

一般的に一次相続よりも二次相続のほうが相続税は高くなるため、一次相続の段階から二次相続を見越した相続税対策が必要です。

今回は、一次相続と二次相続の相違点に触れながら、二次相続時の相続税を抑えるためポイントを解説します。

二次相続とは？

一次相続は、最初に両親のどちらかが亡くなったときに発生する相続で、配偶者と子に資産が引き継がれます。

二次相続は、その後、残された配偶者が亡くなった際に、子のみへ引き継がれる相続を指します。

つまり、両親がなくなった際における1回目の相続が一次相続で、2回目の相続が二次相続です。

一次相続と二次相続の相続税の違い

二次相続の相続税は一次相続よりも高くなる傾向があります。

これは主に3つの理由に起因します。

配偶者控除が適用されない

一次相続では配偶者控除として1億6000万円が非課税になります。

一次相続では多くの財産を配偶者に相続させるケースが一般的ですが、二次相続においては、配偶者特別控除が適用できないため課税対象が増えてしまいます。

小規模宅地等の特例の適用が難しい

この特例では、330㎡までの住宅用地を80%減額で評価できますが、二次相続では「同居している相続人が継ぐこと」などの細かな要件を満たす必要があるため適用が難しくなります。

基礎控除の減少

基礎控除額は「3000万円＋600万円×法定相続人の数」で計算されます。

配偶者が亡くなることで法定相続人が減るため、基礎控除の金額も少なくなり、相続税の負担が増します。

二次相続における相続税対策

具体的な対策としては、主に次のような方法があります。

生前贈与の活用

生前贈与には年間110万円の非課税枠があります。

これを活用し、贈与税が発生しない範囲内で資産を贈与することで、相続の際の相続財産を減少させることができます。

ただし、7年以内に行われた贈与は相続税の対象となるため注意が必要です。

生命保険の活用

生命保険を活用することで、死亡保険金の受取時に非課税枠が適用できます。

非課税枠は、法定相続人1人に対して500万円です。

二次相続の税負担を抑えるために、一次相続時に子を受取人に設定するのが効果的です。

不動産は一次相続で子に

一次相続で配偶者に多くの財産を相続させると、二次相続で課税対象が増え、相続税が増加します。

そのため、不動産は一次相続時に子に相続させることが節税策としては効果的です。

まとめ

二次相続は一次相続とは異なる点が多く、一次相続の段階でしっかりと相続税対策を進めておくことが求められます。

一方、正確な知識をもって自分で適切な計画を立てることは容易ではありません。

いつやってくるか分からないのが相続です。事前準備をしっかりと行うために、税理士に相談することを検討してみてください。