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【税理士が解説】決算が赤字の場合でも法人税の申告は必要?

「今期は赤字だから、法人税の申告は必要ないのでは」と考える方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、結論から申し上げると赤字でも法人税の申告は必要です。

今回は、その理由と注意点をわかりやすく解説します。

赤字でも申告が必要な理由

赤字の場合、基本的には所得がないため、法人税を支払う必要はありません。

具体的には、「法人税」「法人事業税」「地方法人税」「特別法人事業税」の4つが全額免除、そして「法人住民税」が一部免除となります。

しかし、法人税の支払い義務がなかったとしても、「申告義務」はあります。

法人税の申告義務は、会社の利益の有無にかかわらず、法人としての事業活動を行ったかどうかで判断されるためです。

 

税法上、法人税の申告書は「事業年度終了の日の翌日から2か月以内に提出するべき」と定められており、このルールは赤字決算でも同じです。

申告を怠ると、無申告加算税や延滞税といったペナルティが課される可能性があります。

赤字決算で申告する際のポイント

赤字決算で申告する際は、以下のポイントが重要です。

 

  • 書類の保管を徹底する
  • 法人税以外の税金を理解する
  • 赤字申告のメリットを理解する

 

それぞれ確認していきましょう。

書類の保管

赤字でも、帳簿の記帳や領収書・請求書などの証憑書類の保管は必須です。

赤字の原因が業績不振であっても、経費の使い方や取引の実態をきちんと証明できるよう、書類の管理を徹底するのが重要です。

税務署から指摘を受けた際の備えにもなります。

法人税以外の税金

赤字の場合、法人税や法人事業税などは全額免除されますが、一部免除やそもそも免除にならないものもあります。

 

  • 一部免除:法人住民税
  • 免除なし:消費税、源泉所得税、住民税(特別徴収)、印紙税、登録免許税、固定資産税、自動車税

 

たとえば消費税は、課税売上が一定額を超えていれば、利益の有無に関係なく納税義務が生じます。

上記のように、「赤字=納税ゼロ」とは限らない点にも注意が必要です。

赤字申告のメリットを理解する

赤字決算による申告は、将来の節税につながるメリットもあります。

たとえば赤字金額は「欠損金の繰越控除」として、一定期間(原則10年間)にわたり将来の黒字と相殺できます。

もちろん債務超過による倒産など、赤字申告を続けるデメリットもあるため注意してください。

まとめ

赤字決算だからといって申告を怠ると、将来的に大きなリスクを抱える可能性があります。

正確な申告作業や節税対策を行うためにも、専門家である税理士への相談がおすすめです。

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